災害対策特別委員会(平成23年9月9日)    



 

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177-衆-災害対策特別委員会-16号 平成23年09月09日

○吉田委員長 次に、二階俊博君。

○二階委員 先輩、同僚の御配慮で、このたび大変な被災を受けました和歌山県選出の者として質問の機会をちょうだいしましたことを大変感謝いたします。
 同時に、平野大臣を初め政府の関係者の皆さんがいち早く災害の現場においでになりまして、関係者を激励していただいております。きょうまた野田総理大臣がおいでになるそうでございますが、これまた関係者の皆さんにとっては心強い限りでございます。
 しかし、ただ現場で要請を聞くだけではなくて、先ほど既にお話がありましたが、市町村長を初め地元の関係者が求めておるものは、災害対策に対してやはり迅速な対応をやってもらいたい。それは何よりも激甚災害。私は当たり前のことだと思っておるんです。むしろ、激甚災害に指定しないという何か御意見があれば今政府の側から述べてもらいたいと思うくらいですけれども、まさかそんなことを考えている人はいないと思うんです。
 ただ、平野大臣もお詳しいわけですが、災害の総量といいますか、被害額が集まってこないことには激甚災害の指定ができないということですが、私は、きょうは総理大臣がわざわざ現地へ行かれるならば、ちょうどいい機会ですから、総量はなくても、見ればわかるんですよ。森本さんがおいでになって、わかりますよね。これが激甚災害でなければ、何を激甚災害というかという思いです。
 ですから、私は、大臣から総理に連絡されて、激甚災害の問題については、事務的なことを乗り越えれば、直ちにこれに対応して早急に復旧に向かって頑張るから皆さんも頑張ってください、このメッセージがなければ、ただいろいろな人がどんどんお見えになる、これは和歌山県も奈良県も三重県も皆一緒ですが、偉い人が来るたびにお迎えが大変なんですよ。ですから、それだけのことを地元にさせる以上は、やはりきちっとした将来の復旧に向けての、よし、これでできるんだと皆が思えるようなことをやってもらいたい。
 あわせて担当大臣の御意見を聞いてみたいと思います。

○平野国務大臣 激甚災害につきましてですが、型どおりの御答弁で申しわけございませんけれども、まず災害額が確定して決まるというものであります。
 ただ、今、二階委員がおっしゃいましたように、私も現地へ行って感じたのは今回の災害の大きさであります。そういう中で、しっかりとした体制と財政支援と技術的支援、それから国がやるべきものはしっかりやる、そういう体制で臨んでいかなければならないという思いを強くしたことだけは事実でございます。
 また、今、二階委員の御質問の中で、やはり地元のあの惨状を目の当たりにしましての、一日も早い復旧をという強い熱意が伝わってきましたので、そのことも踏まえてしっかり対応していきたいというふうに思っております。

○二階委員 今、岸本議員からもるるお話がありましたように、特に那智勝浦町では、町長の御家族が大変ショッキングなことになっております。しかし、私が町長を訪ねますと、町長は直ちに、町長室へすぐ戻るからということでおいでになりまして、御家族のことよりも何よりも、災害復旧に対して国はどう手を差し伸べてくれるか、どう助けてくれるかということを次々におっしゃるわけです。
 私は、たまりかねたような気持ちで彼の説明を聞いておりましたが、道路あるいは河川、鉄道、インフラが大変な状況になっておりますから、これらの復旧については、那智勝浦町だけではありませんが、今大臣もお述べになりましたとおり、心情を酌み取って、やはり人間として情のある対応が必要だと思います。
 たまたま今回、三重県、奈良県、和歌山県と被災を受けたのですが、これは、あすは我が身ですよ。
 先ほど大西議員からも話がありました、昭和二十八年のころの災害を私もお話を聞きながら思い起こすわけですが、これでは、本当に町も壊滅的な状態になり、そして戸締まりができないものですから、男の人は皆夜警に出て、そしてまた、そのそばを牛や馬が流れてくるというふうな、そんな悲惨な状態を、私は中学生でしたが、経験しております。まさか今度のようなことがもう一度襲ってくるとは思ってもみませんでしたが、今日この事態になっておることには間違いないわけです。
 そこで、雨が何ミリ以上降ったら避難勧告を出すとか、また明確な技術基準というものをやはりはっきり確立しておく必要があるというふうに思うわけです。気象状況がどのように推移しようとも、それらに関連して大雨警報、洪水警報を市町村にいかに伝達するか、私は、反省の意味も込めて、当局から御説明を願いたいと思います。

○羽鳥政府参考人 まず、台風第十二号の状況について御報告します。
 九月三日に高知県に上陸し、その後、四国地方、中国地方をゆっくりとした速度で北上しました。四日未明には、その後、日本海に進みました。
 台風は大型で動きが遅かったというのが特徴でございまして、台風周辺の湿った空気が長時間流れ込みました。このため、特に紀伊半島では、気象レーダーやアメダスを用いた解析によりますと、降り始めからの総雨量が広い範囲で千ミリを超え、一部の地域では二千ミリを超えた地域もございます。また、アメダスによる観測によりますと、奈良県上北山村で千八百八・五ミリ、和歌山県古座川町で千百五十二・五ミリなど、多くの地点で記録的な大雨を観測してございます。
 この大雨に対して、地元気象台では、九月二日から大雨警報、洪水警報を発表し、さらに土砂災害警戒情報を発表し、県や市町村に伝えてございます。これにより警戒を呼びかけておりまして、さらにその後も、警報に加えて、気象情報の中で二十四時間先までの予想雨量を発表し、記録的な大雨への一層の警戒を繰り返し呼びかけていたところでございます。
 このように、今般の台風十二号につきましては早い段階から警戒を呼びかけておりましたが、結果としては大きな災害が発生してしまいました。このため、気象庁としましても、今回気象庁が発表した台風等の情報について、県や市町村等における利用状況を調査、評価し、防災関係機関とも連携しつつ、防災対策に、より効果的に生かされるよう、情報の改善に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

○平野国務大臣 今、気象庁長官から御説明がございましたけれども、そういった情報に基づきまして、自治体がどういう避難勧告を出したのか、出さなかったのか。出したとすれば、いつの段階、どういうタイミングで、どういう考え方で出したのか。これにつきましては、私は、今回の被災の状況を踏まえまして、きちっと精査をする必要があると考えております。一部自治体からはヒアリング等を行いまして情報は入っておりますが、いずれこの状況につきましては全体像を明らかにしまして、次の災害に備えるということが大事だというふうに思います。
 ただ、一点、今回の被災の中の特徴は、やはり土砂災害が非常に多かったということでございます。この土砂災害につきましてはかなり予想が難しいという問題もございまして、これも含めまして、今回の被災の状況については、今の状況から一段落しまして、復旧復興の姿が見えてきた段階でしっかり調査をしたいというふうに思っております。

○二階委員 先ほど気象庁長官の御説明がありましたが、先般も自民党で政府の関係者のお話を聞きましたが、そのときも、気象庁というのは、まるで気象学を国会へ説明しに来るようなつもりでいろいろ言われるんです。それも大事です。大事ですが、今こういうことが発生した以上、今後こういうことを再び起こさないためにどうすればいいかという考えが全くないんです。
 我々は、今、これが終わったらすぐ地元へ帰らなきゃいけない。また地元から山のように要望が集まってくるわけですね。そういうときにどうしようかと言っているときに、今のようなのんびりした気象庁のことではだめですね。いろいろなことを発信したにもかかわらず市町村がそれを十分受けとめなかったということを言いたいんでしょうが、日ごろの訓練がなされていないからだめなんですよ。練習がなされていないんですよ。だから、言ってきたって、気象庁なんという役所と市町村が何か日ごろ会議でもやったことがありますか。
 私は、気象友の会という意味なんですが、地球ウォッチャーズというのをつくって、運輸大臣の時代からそういうことの促進を図ってきましたよ。しかし、幾らやったって、これは地元の人たちがそうだと沸き立ってくるようなテーマではありませんから、一生懸命やっておるには違いないんですが、大変効果を上げるというのには難しい仕事なんです。
 しかし、大臣もあれだけの御決意を述べられたんですから、我々も協力しますから、これはやはり与党も野党もないんです、みんなで協力して対応しなきゃいけない。
 今度、みんなひどい目に遭ったわけですから、気象庁から言ってくることを真剣に受けとめなきゃいけないということになっておると思うんです。例のチリ津波のときもそうですが、チリ津波で、警鐘を乱打して、みんな避難しなさいということを言っているんですが、だれも逃げないんです。まだぴんとこないんですね。それはやはり日ごろから訓練が必要で、逃げない人が悪いとか、市町村の対応が鈍かったのはそっちが悪いんだというようなことを言ったんじゃ、亡くなられた人とか被災を受けた人たちは浮かばれない。
 ですから、今後に備えて、この事態を踏まえてどう対応するかということを、これは政府だけではなくて我々国会も一緒になって考えていかなきゃいけない問題だというふうに思っていますから、それは要望だけしておきますが、しっかり対応してください。今のような答弁だけで済むと思ったら大間違いだ。お願いしますよ。
 二次災害の防止について一言触れておきたいと思います。
 二次災害の防止については、政府も十分対応していただいていると思うわけでありますが、気象状況の見通しあるいは変化が激しいわけですから、これに対して、また二次災害を受けたとき、予想を超えたとか、思わざることであったとか、そういう慰めを言っていただくようなことではなくて、やはり今から二次災害への対応をしっかりやっておかなきゃいけない。
 政府はどのような決意を持っておられるか、ちょっと伺っておきたいと思います。

○平野国務大臣 今回の災害は、例えば新宮川の洪水流出、現地で聞いたところによりますと、設計洪水量が一万八千トンだそうです。伊勢湾台風のときには一万九千トンの水が出てきまして、今回は、速報値でありますけれども、二万二千トンという数値の洪水が出てきたということでした。
 そうした大量の水とあわせて、土砂災害が頻発したということでございまして、この土砂災害に関連する二次被害がやはり大変心配でございます。そして、まずは土砂災害が現に発生しているところがどういう状況か、これは上空なり現地でしっかり視察をし、見て調査をして、国交省で情報を把握したものについては、今、県に情報をしっかり提供しております。
 それから河道閉塞、これは本当に大きな問題でございまして、国交省の方では十二カ所あると把握しております。うち四カ所はかなり大きな河道閉塞になっておりまして、これについては、今、国交省が直轄で調査をして、これからどういう対策をしなければならないかというものを鋭意検討中でございます。
 あわせて、この河道閉塞につきましては、今後雨が降るということも想定されますので、それに備えての避難勧告も、避難の指示も出せるように、情報共有を県と国が一体的にやるという体制も今できているというふうに理解しております。現に、昨夜、河道閉塞が起きている下流域の住民についての速やかな避難を国交省の方からお願いしまして、県はそれを受けて迅速に対応したというふうに理解をしております。
 こうした体制をしっかりつくって、二次災害の防止に努めていきたいというふうに思っております。

○二階委員 次に、農業についてちょっと伺いますが、既に政務官が現地に入られ詳しく御調査をいただいておるようですから、できるだけ手短にお尋ねをしたいと思います。
 今の農業というのは、申すまでもなく、農家所得の低迷、それから後継者の不足、さらには、最近は有害鳥獣の被害等、もうあちらからもこちらからも本当に立つ瀬がないような状況に農業が追いやられていることは御承知のとおりだと思います。そこへ今回の災害を受けたわけですね。
 この人たちが再び農業の道で頑張っていこう、そういう力強い第一歩となるような農業対策を速やかに講じることが必要だというふうに思っております。ですから、特に手厚く、さらにきめ細かく、農林水産業に対する対応をお願いしておきたいと思っております。
 おいでになられたかどうか、日高町で、水害によってトマトハウスが全壊したとか、ミカン園がなぎ倒されている、農産物に甚大な被害がありました。
 また、日高川の漁協で、政務官もおいでになったようでありますが、日本一のアユの養殖生産の施設であります、これが冠水によって全滅の状況にあります。内水面漁業もどうにか緒について、これでやっていけるのではないか、また、都会地からもいろいろな注文をいただいて将来に明るさが出てきたところですが、今度は根こそぎやられてしまったという状況です。
 これに対して、昨日、仁坂知事からも、県としても精いっぱいのことをやりますから、これはぜひ再起、再開をいただけるように私からも地元に伝えてもらいたいというふうな話がありました。
 森本さんは現地に行っていただいたんですが、その上で、例の東北の大災害と同様の対策を講ずるということをおっしゃったといって地方新聞にはでかでかと出ておりましたが、私は、政務官として大変立派な御発言だと思います。我々はそれをサポートしますから、しっかり頑張っていただきたいと思いますが、今御所見があればお願いします。

○森本大臣政務官 二階委員にお答えをさせていただきます。
 選挙区と言ってはおかしいんですけれども、随分広範囲で合併されて、そしてこの町を中心に多くの方々が被災に遭われておる、その惨状は本当に心痛をお察し申し上げる、そんな思いで現地に入らせていただいて、今、アユの施設も一名の方が命を落とされるのではないかというような悲惨な状況でございまして、中も大変な状況でございました。そして、栽培トマトの関係の方もただ茫然と、投資したその施設がもう壊滅的な状況でございまして、河川が幅が二倍以上にはんらんをしてしまったような、そういう悲惨な状況でございました。
 特に、町長とともに随分この現地は歩かせていただきました。ですから、そうした災害がこれまでにない大きな災害であるなという実感をさせていただいて、これは何としても全力で事に当たらなければならないというふうな、そんな思いをさせていただいております。
 ですから、この日高川の現状、雨量も、十六年の台風と比べれば倍できかないような状況の雨量でございますから、ここのところは、ダムを含めて、いろいろな対策をこれから探り出さなければならないんだろうというふうに思わせていただいております。
 そうしたことを踏まえながら、こうした被災に遭われた方々がもう再起不能というような状況にならないような支援はしっかりやっていかなければならないという認識でございますので、この委員会を通じて、また党を通じて、いろいろ皆様方から御支援をいただきながら頑張っていく所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ただ、もう一つ、この今の災害を含めますと、二階議員はもう大先輩でございますのでよく御存じかと思いますが、私は、今の森林の生態系を失った我々のツケというものは非常に大きいというふうに理解をいたしておりますので、こうした対策も含めて、ここが有害鳥獣のもとにもなっておりますので、すべてをもう一度原点から見直す必要もあるという認識で帰らせていただきました。

○二階委員 今、政務官の有害鳥獣に対する言及もございましたが、これはなかなかまだ御理解をいただけない都会出身の議員もおるわけですが、あの地方、特に人口の少ない、早く言えば過疎地、こういうところの農業を高齢者の皆さんが一生懸命やっておる。特に、お年寄りのおばあさんがトマトだとかキュウリだとかナスビだとかというのを一生懸命つくっておって、自分が幾ばくか食べて、残ったものを農協へ持っていくとかというようなことをして生活費の一部にされておるんでしょうが、そこが、もうちょうど取り入れにいいなという熟してきたころに、必ずあの連中が出てきて、食べたりいろいろしておるんです。たまたま電気がばっと野菜にかかるようなところは、やはり電力のそういうことは野獣どもにとっては怖いものですから、そこは食べないんですね。
 ですから、何か知恵を絞って、経済産業省なんかと、太陽光とかいろいろなことも活用して知恵を出して対応しなきゃ、私は、前に法律をつくるときも言ったことがあるんですが、あの走り回っておる動物に、頭の程度の負けないような法律をつくったりして対応しなきゃ笑われちゃいますよ。もうみんな引っ越しして、どこか都会の方へ逃げていこうかと言っておられる人も随分あるんですよ。そのことを思えば、これはちょうどいい機会ですから、このチャンスにその鳥獣の問題もしっかり対応していただきたい、これは要望しておきます。
 次に、高速道路等のネットワークの促進につきまして、先ほど民主党の有力議員からそれぞれ御意見があったことを大変力強く思うんですが、同時にちょっと不思議にも思っておるんです。
 せっかくやろうと思って、今回の被災を受けた新宮市や那智勝浦、紀伊半島の南東部があるわけですが、これがもう通行不能になっておったわけですが、那智勝浦道路が被災後の救援、復旧活動において極めて大きな活躍をしておるわけです。しかし、今から少し前に民主党のいろいろな方々がこの地にやってきて、無駄な公共事業だとか、こんな人も余り通らないところへ道路が必要かとか言って、まるでこれは、この地方に住む、人口が減少する地域に住む人たちに対してこんな失礼な言動はないんですよ。それを言って、言いっ放しておって、そのことに対して何か反省がなきゃだめですよ。
 今、岸本さんから大変御親切な話がありましたが、我々南の地域に住む者として、一生懸命やって、東京や大都会近郊の道路をやることの十倍も百倍も労力が要るんですよ。ようやくこの御坊―田辺間というのも、七百四十五億を投じて二車線を四車線化にしましょうということを決定したんですよ。そうしたら、民主党の内閣が出てきましたから、今のようなお話から総合すると、もっと促進していただけるものと期待しておったら、直ちにこの道路は無駄な道路だからやめましょう、コンクリートから人への時代ですよというふうなことを言って、道路をやめてしまったんですね。今まで一生懸命やっておったことを民主党政権によってほごにされてしまったと地元はみんなが思っておるんですよ。
 そういう状況の中で、どんどんと今新たな方々が被災地へおいでになって、道路は必要だとか言われるんですが、びっくりしちゃうんですね、そういうことを急に言われると。その前に、総理でもだれでもが、党を代表する立場から、こうした乱暴なことを言って歩いた、ラッパ持って言って歩いたんですよ。だれが言ってきたかと言えといったら、みんな名前言ってもいいですよ。
 そういうことをしておいて、今災害だから一緒に解決しましょう、与野党みんなよろしくひとつ協力をと言われても、本当ですかと聞きたいんです。ですから、やはりだれか責任ある者がそういうことに対する反省の弁を述べる必要があるわけです。
 コンクリートから人へということを大きな旗印にしまして公共事業抑制を続けておったわけですが、コンクリートに代表される公共事業、自然災害から国民の生命財産を守るという意味で大変不可欠なものであり、東日本大災害においても、そのことの重要性、福島の原発においても、もう少ししっかりした防災の対応をしておく必要があったのではないか、そういう意見を持っておられる方々もおりますが、私も、そういうことに対して、もう幾らかを支えるだけのことができたのではないかというふうな疑問を持っております。
 今回の台風におきましても、公共事業軽視に対する大きな警鐘であるというふうに地元は受けとめておりますが、これは大臣の今後これらに対する対応についてお考えがあれば述べていただきたいし、これに対して、やはり、野田総理大臣がきょうは和歌山へ行かれるなら、大変ですね、大変ですねと言ってくれるだけじゃなくて、何で大変になったのかということから、今後こういうことに対して再びこういう目にみんなを遭わせないために政府としてこうしますというものを言いに行ってくれなきゃ、ただ見に行って頑張ってくれるだけでは我々としては極めて物足りないと思っております。
 大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

○平野国務大臣 コンクリートから人へというのは我々民主党が掲げたスローガンでございます。
 私は、公共投資については、従来から、必要なものはつくるという、これまた抽象的な表現で恐縮ですけれども、つくるべきだという主張を申し上げてきました。
 しかし同時に、二階委員を前に釈迦に説法のようなことを申し上げて恐縮ですけれども、この国は、日本は今、新幹線、高速道路、飛行場、大変な社会資本ストックがあります。これからその社会資本ストックが徐々に更新の時期を迎えてくる。この更新の費用だけで大変なお金がかかってまいります。その更新をしなければ地域社会が成り立たないという中で、厳しい財政事情の中で何とか予算を捻出してこの資本ストックをきちっと後世につながなくちゃならない。である以上、新規の投資については、これは私はできるだけ抑制的であるべきだという考え方を持っておりました。
 ただし、今回の大震災、特に東日本大震災の中で、私も現地もつぶさに、また何回もお邪魔して、これは岩手県、私の出身地でもございますけれども、やはり道路の必要性というのは特に認識を新たにしたというのは事実でございます。
 紀伊半島の三県、これから復興構想会議を立ち上げるというような構想もあるようでございます。その中で、地域の復興に向けた構想の中で、災害に強い体制づくりの中で、こういった道路についてもきちっとした議論がなされるのではないかというふうに思います。

○二階委員 それでは、観点を変えて、医療問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 今回の大災害に際して、例えば那智勝浦町なんかでは、病院が井戸水を活用できるということで、随分それが役に立ったようであります。
 もう一つは、今大臣もお述べになりましたが、患者さんが病院へやってくるときの道路問題がありますね。
 この道路問題も、幸いにして、新宮や勝浦の病院へ患者さんがお越しになるときの対応は準備できておった、こういうことがありますが、今後、非常のときに備えて、病院における、井戸水をどう活用するかということについてもやはり対応しておかなきゃいけないのではないか。
 水の問題を考える場合に、いろいろやり方があろうと思いますが、一番簡単な、井戸水を準備しておくということ等含めて、厚生労働省が専門的なお立場から非常時の病院の運営に際して何を考えておかなきゃいけないか、整理されているものがあればお話しいただきたいと思います。

○唐澤政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘のございましたように、那智勝浦町にございます二つの病院につきましては、九月七日の夕方まで断水が続いておりました。そこを、受水槽の活用や給水車による給水のほかに、井戸水の活用ということで診療が継続できたというふうに承知をしております。
 この病院の水の確保でございますけれども、私ども厚生労働省におきましては、平成二十三年度、今年度の厚生労働科学研究におきまして、病院に対するアンケート調査を実施しております。六千の病院を調査いたしまして、受水槽を持っているという病院は九四・八%、御指摘のございました井戸を持っているという病院は二四・一%でございました。
 こういう観点から、災害時の医療機関の水の確保、特に東日本大震災におきましては、広範囲の停電、断水、こういうことが生じまして、医療機関の診療機能の確保ということが問題になりました。
 このため、私どもでは、七月から災害医療等のあり方に関する検討会というものを省内に設けまして、医療機関の水の問題、これは、災害拠点病院では非常に大量の水を使用いたしますし、しかもまた高純度の水を求められるというような点がございますので、その中の重要な論点といたしまして、現在検討を進めているところでございます。
 ここでの議論を踏まえまして、私どもが法律上持っております医療計画の見直しの中に、この災害医療についての検討会を踏まえまして、新たな指針を提示して医療体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○二階委員 常日ごろの備えが大事でありますから、厚生労働省におきましても、全国の医療機関に対して、しっかりした指導、あるいはまた、連絡したけれども向こうがぴんと反応しなかったというようなことのないように、日ごろの訓練もあわせて、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 次に、災害が起こるたびに、医療船の問題がお話としてあちこちに起こってまいります。私も、このことの必要性は前々から感じております。すぐ、大量の患者さんを治療できるわけですし、あるいは食料も運べるわけですし、それからおふろにも入ってもらえるわけですから、この医療船なんかが極めて大事なことはもう別に論争する必要はないわけですが、これも、話としては起こるんですが、災害がおさまりますと、この話もおさまっちゃって、どこかへ行ってしまうわけです。
 例えば、海の新幹線とも言われたテクノスーパーライナー、これなんかも、日本の造船技術の最高の水準を達成した立派な技術だと私は思っておりますが、これも東京都と小笠原とを行き来するということでありましたが、ごく何人かの人の御判断でこれはそれに活用しないということで、今、この船は三菱造船所で休んでおるようであります。そうしたところ、先般の東日本の大災害に際して、あのテクノスーパーライナーに出てきてもらおうじゃないかという話になって、これは大変な活躍をしたということを聞いております。今回も、災害が起こるとこの問題も出てまいります。
 時間がありませんから長々申し上げませんが、このテクノスーパーライナーと病院船等を組み合わせる、そのためには防衛省にも協力してもらう、もちろん厚生労働省、そして他の省庁も動員して、もちろん船の関係ですから国土交通省、英知を結集すれば私は道が開けるというふうに前々から判断しておるんです。
 テクノスーパーライナーというのは、御存じの方もいらっしゃると思いますが、今ので大体四十四ノット、時速八十キロ、ですから、大変なスピードで現場に急行できるという強みを持っているんですね。防災船、災害対策の船として日本がこういうものを持っておる、そうすれば、日本の近海といいますか周辺のそれぞれの国で何かが起こったときに、直ちにこの船が直行できるというふうなこともあるわけですから、私は、このことをもう少し、どこの部署でおやりになるかは別として、政府としてお考えをいただければありがたいと思うし、私どもの立場からも、この問題に対してさらに追求といいますか推進を図っていきたいというふうに思います。
 次に、世界遺産の問題が言われております。
 世界遺産の熊野那智大社が大変な被害を受けていることは、もう皆さんが新聞、テレビ等で御承知のとおりであります。聞くところによると、あすかあさってに中川文部科学大臣がおいでになるとかということを聞いておりますが、いずれにしましても、電話が途絶しておるような状態でございます。
 私は、昔の時代にあったような早馬でも準備して、何か連絡があったら上から走ってくるとか下からまた上へ連絡するとかしなければ、この神社そのものが孤立状態にあるんです。土をかぶって、土砂が入っているわけですね。これに対して、取り除けばいいようなものですけれども、これは文化庁の御指導をいただかなきゃ、それは砂一つさわっちゃだめだということで怒られちゃいます。
 そうして文化財を今日まで守ってこられたんですから、私はそれに対して何も言うつもりはありませんが、こうした文化財、世界遺産、この対応に対してもっとしっかりした対策を講じなければ、宮司さんとか地域の人たちにだけ責任を持たせるのは荷が重過ぎますよ。これに対してのしっかりした対応をやってもらいたい。観光庁長官もお見えになっておりますから、御意見があればあわせてお述べをいただきたいと思います。

○吉田政府参考人 今回の台風十二号によりまして、多くの文化財に甚大な被害が生じております。とりわけ、先生御指摘の熊野那智大社では、社殿の裏山からの土砂崩れによる大きな被害がございましたり、あるいは那智の大滝では、景観全体に対する異常ということではございませんけれども、文覚の滝が消滅するなど、被害が生じているところでございます。
 文化庁としては、被災自治体との連携を図りながら、まずは被害の大きい熊野那智大社に早急に専門家を派遣いたしまして、状況の把握と、それから被害の拡大防止のための応急措置につきまして指導助言の支援を行う予定でございます。
 また、今回の災害は広範囲にわたっているところもございますので、文化財につきましても、私どもとして、幾つかのチームを編成いたしまして、迅速な対応を行ってまいりたいと思います。
 また、その先には、文化財の本格的な復旧、こういった局面を迎えてくるわけでございますけれども、これにつきましても、専門的あるいは技術的な指導助言、さらに復旧についての財政的な支援、そういった万般にわたりまして、復旧に向けましての万全を期してまいりたい、このように考えております。

○二階委員 これは、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思うんです。
 世界遺産だということで鳴り物入りで宣伝がなされておりますから、多くの観光客が押し寄せております。そこへこういう事態になったものですから、宮司にしても関係者にしても、手の施しようがないところで茫然としておるという状況ですね。そして、きのうヘリコプターで食料を運んでいただいた。
 何にしても、災害がきのうかおとといに発生したみたいな話になるんですよ。文化庁はこれは大変大事な宝物だと思っておるんでしょうから、これに対する対応をもっと、若い人でも何でもいいから、現地はもう想像を絶するような状況になっておるんですから、中川大臣が行ってきて大変だぞと言って帰ってくる、我が方の谷垣総裁も近く参ります、そんな人が来てやんや言われて文化庁が立ち上がるようなことではなくて、災害が発生したら直ちに、問題があることは頭でわかっているんだから、もっとしっかりした対応をしていただきたい。これは要望だけにしておきます。
 ごみ処理が言われておるんですが、これに対しても、環境省が随分しっかりした対応をしていただいているようですから町村長もこのごろは大変安心しておるんですが、ごみ処理を思うと、東北の皆さんには申しわけないが、東北のごみの状態を思い出すわけですよ。これはいつ解決するのかということになる。それらを思うと、これもしっかりした対応をしていただきたい。
 答弁は要りませんが、最後に一つ。
 これからボランティアの出番といいますか、皆さんにいろいろなお願いをしなきゃいかぬことになりますが、ボランティアは市町村や地元でいろいろな対応ですけれども、ボランティア全体がうまく機能していただくための対応を、やはり国として何らかの手厚い対応といいますか、御苦労さんという気持ちをどう出すか。それも含めて、これは大臣に要望だけしておきます。
 時間が参りました。大変、皆さんの御協力や、全国からちょうだいしております激励の言葉やいろいろな義援金等につきまして、県を代表して心から御礼を申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

 

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